腰痛と感情を抑圧との関係

検査をしてもどこも異常がないのに、腰痛が長く続く様な場合は心因性の腰痛の場合があります。
心因性の腰痛は、薬やマッサージでも楽にならない傾向があります。
骨の異常や病気の原因となるものがないのに、3ヵ月以上続く腰痛の場合、心因性が問題が原因になっていることがあります。
抑うつ状態が続くようであれば、心因性からの腰痛を疑うことも必要です。
・最近、物事をやるのがおっくうでできない。
・最近、集中力が落ちて、能率よくできない。
・人に会いたいという気持ちがなくなる
・毎日、心配ごとや悲観的なことをよく考えてしまう
この様なことが、腰痛とともにあるのであれば関係性がある可能性が高くなります。
これは、脳の背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)とい部分が、働きが弱くなっていることで生じます。
いつもあるネガティブな感情が、腰痛が良くならないことで悪循環となっていて、改善しにくい状態になります。
その様な患者さんが、たびたび来院されます。
様々な病院で診てもらい、整体や針などを繰り返してきたが、全く変化がみられない方は多数来られますが、共通している部分があります。
よく言われるのが、心因性の問題はストレスが原因となっていますが、私はそれよりももっと大きく占めているものに気づきました。
そこにアプローチしていけば、抑うつ状態も無くなり腰痛も変化していくことが分かりました。
その共通の部分とは、感情の抑圧です。
不安や心配、恐れや怒り、イライラ、悲しみといったネガティブな感情を無意識に抑圧してしまうことをしていたのです。
「嫌な気分」はダメでいつも「良い気分」でいなければならないと、ネガティブな感情を無くそうと無意識に子供の頃からしている傾向があります。
毎日、心配ごとや悲観的なことをよく考えてしまう癖は、ネガティブな性格からではなく、ネガティブな感情は悪いものだと思い込んでいるからだと思うのです。
過去の抑圧された感情は、お思い出さないようにしているだけで実は、いつでも自分の中にずっと残っていていつも行動の邪魔をしています。
本当は楽に生きたいのに、いつも苦しんで生きているような状態です。
「こうすればいいのは知っているのに、なかなかできない」
「こう思えばいいのに、そう思えない」
それを邪魔しているのが、抑圧しているネガティブな感情なのです。
そもそも感情に良いも悪いもないく、ポジティブが良くてネガティブが悪いもなく、もともとはどっちも大切な自分の感情だったのです。
赤ちゃんの頃は、泣いたり笑ったり怒ったりをしていたのが、途中から笑うのは喜ばられて、怒ったりをしたら叱られることで、怒りという感情が悪いと認識して無意識に抑圧してしまうことをしてしまうのです。
なので真面目で、人に迷惑をかけられない様な方が、心因性の腰痛になることが多い傾向があります。
でもほとんどの方が、ネガティブな感情を抑圧している認識がないことが多いです。
生活の中で、分かりやすく言えば「ストレス解消」でやっている時なのです。
嫌なことから逃れることをやっている時、お酒や大食いや無意識に見てしまうテレビやYouTubeなど、それをすることで嫌な感情が忘れてしまう行動は、実は感情を抑圧していて忘れられていると思っていても体に残っています。
なので。5年や10年と体の中で溜まった感情は、いつか症状として出てくるのです。
「じゃ感情は、抑圧をしないで出せばいい」と思う方もいますが、怒りや恨みといった感情を表に出せば人間関係が悪化します。
おススメは、感情は認めることです。
今、自分はこんな感情があることに気づき、その感情にジャッジしないでひたすら感じること、ネガティブな感情は自分を守る為に生まれたものであることに、気づき受け入れて認める。
相手が悪いとか、こんなことにならなければいいのにと言った評価は入れずに、今湧き出ている感情に気づき受け入れて認めること。
そのことを毎日やっていくことで、今までの感情は薄らいでいくことが出来ます。
中には、過去の体験がツラくネガティブな感情に気づくと、過去を思い出してしまい体調を崩す方もいます。
そして、またひたすらネガティブな感情を抑圧しようとします。
厳しい言い方かもしれませんが、今までそれを繰り返してきてここまで悪くなったのであれば、勇気を出して自分と向き合うしかないのではないでしょうか。
昔を思い出して、そこまで反応しているということは、その感情が身体に大きく影響しているということなのです。
ネガティブな感情を認めるということは、自分を認めるということであり、自己受容ができ自分の心の傷を癒すことが出来るのです。
ネガティブな自分に向き合い認めることは、本当のポジティブなのだと思います。
ネガティブな自分を排除しよう無くそうとするほど、その部分が大きくなります。
すぐに変化を期待しないで下さい。
毎日毎日繰り返していくことが大切です。
私たちは、思考の癖があり変化を嫌います。
なので少しずつしか変われないですし、すぐにもとに戻されてしまいます。
あきらめない勇気をもって下さい。