変形性股関節のお客様ー事例

Ｉさんは、先天性股関節脱臼をしており小さい頃から股関節の動きが悪く、痛みは感じていたそうです。年齢とともにだんだん変形性股関節症になっていき、足をかばいながら歩いているので体がものすごく傾いてしまっています。

ここ２．３年目から歩くことがだいぶ辛くなってきたといいます。

病院の先生から変形性股関節症の手術を勧められているそうですが、手術には迷いがあるみたいです。

Iさんは１０年ほど前から、知り合いの整体院に「手術をしないでなんとか治したい」という気持ちで通い続けていました。なので手術にはまだ踏み切れないでいるみたいです。

でも２年目から痛みが徐々に強くなり、最近ではちょっと歩くのも痛みが強く、こちらに来院されたとのことです。

私は、変形性股関節症の方をいままで沢山見てきました。

その上で言いますと「痛みが強くなってきて、ここまでかなり体が傾いてしまっているのなら早く手術した方がいい」と考えています。それは股関節を手術をしても、体の歪みが強いと歩き方が良くならず、術後回復が遅くなるからです。

体が横に傾いている状態では、股関節に負担が掛かります。手術で人工の股関節に変えても、体の傾きは直らず正しい歩き方が出来ない可能性があります。

今は変形性股関節症の手術の技術は、昔よりも高まり退院も早くなってきています。

「なんとか手術をせずに歩きたい」という気持ちは分かります。

ですが、2年も前から痛みが強くなってきて、歩くことが難しいのなら考える必要があります。

私がIさんの体を診たとき、骨盤の高さが左右で１０センチ以上違っていました。これはかなり違うのです。これは骨盤が横に寄ってしまって、脚の長さもかなり違っているのです。

その原因は、痛い脚をかばって歩いていた癖だと思われます。 

私がおこなう筋膜の整体は、筋膜のねじれを取っていくものです。ある程度の骨盤の歪みや脚の歪みは取っていくことは可能なのですが、何年もこの状態の方は、歪みを直しても戻りも早く出ます。

ここまで左右で脚の長さが違う方は初めてだったので、脚の長さは正直そろわないのではないかと思われましたが、筋膜の調整をしていくと両足の長さが近づいてきました。

その曲がっている大きな原因が、肩甲骨にありました。

骨盤だけが歪んでいるのでなく、肩甲骨の歪みもかなり強くなって出ているのです。

立ってもらうと最初よりも体の傾きも減り、施術が終わって歩いてもらったら、「先ほどより歩きやすい」と言ってくれました。

「Iさんの場合は、回数と時間をかけても今よりも少しい良い状態しかもっていくことしか出来ないかもしれません。股関節の手術をしたほうが早くもっと改善することが可能だと思われます」と説明しました。

変形性股関節症で手術を検討する目安があります。それは痛みが強くほとんど歩けなくなった時です。年齢が高くなっていると回復が難しくなるので、手術を急ぐことも必要だと思われます。

それが、Iさんみたいに体が傾き、痛みが強くて全く歩く事が出来なくなってしまった方は、股関節の変形は進み骨粗鬆症も進んでいくことも考えられます。すると手術をしても上手く歩けることが難しくなる可能性があるのです。

当院では、変形性股関節症の手術してから、体のケアで通われている方がいます。それは手術しても、筋膜の癒着があると体が固くなり、スムーズな歩きが出来なくなります。それを筋膜の整体で体のケアが出来ます。

Iさんの希望で、何回か続けて受けてみたいとのことで、筋膜の整体を繰り返しおこなってみました。何回かの施術をしていくことで、以前よりも長く外で歩くことが出来たと言います。「また以前みたいに歩けない痛みが出るようでしたら手術も考えて下さい」と伝えております。

歩けないということは本当に辛い事です。上手く歩けないことで体や心まで緊張してしまいます。歩けることの幸せや大切さは、歩けなくなってから知ります。

そうなる前から、体のお手伝いが出来てればと思います。

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